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ロン物語13

どのくらいのときが過ぎたでしょう。
小さな小屋ではロンと子どもたちが眠っています。
まだ朝霧のかかる畑を見ているシロの姿。
芝畑は茶色くなった葉っぱに霜が降りて真っ白です。
霧が晴れて日が差すと畑はきらきら耀き始めます。

毎日の生活は大変でしたが、幸せでした。
<ぼくの家族>
こう呟くと身体に力が溢れてきます。

眠りから覚めてロンが小屋から出てくると、シロは子どもたちの番。
<子どもたちをお願いね。何か食べてくる・・・>
ロンはお腹がすいて仕方ありません。あかちゃんにおっぱいを上げているからです。
人の住む町のゴミ捨て場に行って
カラスを追い払って食べられるものを探したり、庭に猫の餌を置いてある家をみつけたりしました。
寒くて恥ずかしくて、人に怯えながら。
それでも赤ちゃんの寝顔を思い出すと元気になります。
食べ終わると走って赤ちゃんとシロの待つ小屋に戻ります。
そしてクークー言っている赤ちゃんにおっぱいをあげます。
<ね、ロン、ちゃんと食べてる?すこしやせてきたみたい>
シロは心配して声をかけます。
<大丈夫。この近くにはもう何もないから、町に行ってみたの。畑には小さなサツマイモもおちていたのよ>
ロンはことさら元気な声でシロに答えました。
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テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

ロン物語4


青空がとても気持ちのいいあくる日
シロは再び、昨日の空き地に行ってみました。
また聴こえました。
昨日よりはっきりと聞こえました。
ワンワン・・・ク~~・・・
シロはその声にひきよせられるように歩きました。
道の向こうの新しい家の立ち並ぶ辺りです。
道を渡っていくと道行く人はみんな驚いてシロからはなれてすれ違います。
そう、シロは毛の長い少し大きな犬なので、怖かったのでしょう。
ワンワン、ワンワン
可愛い声とうっとりする香り、ここだ。フェンスに囲まれた庭で
茶色の犬、尻尾がくるっとまるまった、女の子です。
この犬がロン。
シロはフェンス越しにロンを呼んでみました。
優しい声で呼ぼうとしたのに、太い声しか出ませんでした。

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ロン物語2



①出会い
 やっと梅がちらほら咲き始めたが、朝は厳しく冷え込んでいます。
シロは頭をお腹の中にすっぽり入れて、丸くなっていました。
犬小屋ではなく濡縁の下が、シロの寝床。
新聞屋さんのバイクの音に驚く様子もなく、
こうやって毎日、
お婆さんが母屋から出てくるのをうつらうつらしながら待っています。
眠っているようですが、
シロはお婆さんが母屋で何をやっているのかちゃんと分かりました。
それは毎日正確に同じなのです。
まず始めにゆっくりゆっくり歩く音、ドアの音、暫くして戻ってくる音。
少し経つと、がたんがたんと重い雨戸の開ける音。
その次に遠くのほうでピーと鳴る音、お湯が沸いたみたいです。
それからすぐまた足音。
ピーが終わったら、程なくシロのところに来るはずです。
「シロ、おはよ~。おめぇはいつも早いなぁ。
よしよし。まってな。今あげっから。」
多分お婆さんの夕ご飯の残り、そしていつも柔らかくなった煮干。シロの大好物です。
シロはありがとうとふさふさの長い白い尻尾の毛をゆさゆさ揺らします。
おばあさんはシロにご飯を上げてから、ニワトリに餌をやって、畑に行ってなにやら野菜を少しばかり持ってきて、また母屋にはいります。
お婆さんは自分より、ニワトリよりも、シロに先にご飯をあげます。
「なあ、シロ、おめぇが一緒でわしはいかった、、、あめぇさいるからげんきでいれぃる。シロ、ありがとな~、さ、たくさん食え、食え、な、」
 もう長いことlこの大きな家にお婆さん独り暮らし。
「さ、腹いっぱいになったら、好きなところに遊びに行って来いな」
そう言って、いつも昼間は鎖をはずしてくれます。
シロは一回大きな伸びをして、それからとことこ芝畑の法に歩いて行きます。
もちろん決った目印にマーキングをしながら。

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