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ロン物語14

辛いとき、お腹がすいているとき、寒いとき
心はただそれと戦っていて
迷っている暇などありませんでした。

でも少しずつ春の日差しが暖かくなってくると違ってきます。
シロは安心し、満ち足りた幸せを感じる時にかぎって、
必ず昔の生活を思い出してしまいます。
そう、おばあさんと暮らしていたときのことです。
今頃どうしているだろう・・・。すごく優しくしてくれたっけ・・・。

穏やかな風のないある晴れた日、
ロンと子どもたちがお腹いっぱい食べた後にシロはロンに言いました。

<ロン、ちょっと遠くに言ってくるけど、すぐ戻るからね。>
そうです。シロはおばあさんの様子をちょっとだけ見たかったのです。
見て、安心してまたここに戻ってくるつもりでした。

でもこれがシロとロンの永遠の別れになるとは誰も考えませんでした。
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テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

ロン物語13

どのくらいのときが過ぎたでしょう。
小さな小屋ではロンと子どもたちが眠っています。
まだ朝霧のかかる畑を見ているシロの姿。
芝畑は茶色くなった葉っぱに霜が降りて真っ白です。
霧が晴れて日が差すと畑はきらきら耀き始めます。

毎日の生活は大変でしたが、幸せでした。
<ぼくの家族>
こう呟くと身体に力が溢れてきます。

眠りから覚めてロンが小屋から出てくると、シロは子どもたちの番。
<子どもたちをお願いね。何か食べてくる・・・>
ロンはお腹がすいて仕方ありません。あかちゃんにおっぱいを上げているからです。
人の住む町のゴミ捨て場に行って
カラスを追い払って食べられるものを探したり、庭に猫の餌を置いてある家をみつけたりしました。
寒くて恥ずかしくて、人に怯えながら。
それでも赤ちゃんの寝顔を思い出すと元気になります。
食べ終わると走って赤ちゃんとシロの待つ小屋に戻ります。
そしてクークー言っている赤ちゃんにおっぱいをあげます。
<ね、ロン、ちゃんと食べてる?すこしやせてきたみたい>
シロは心配して声をかけます。
<大丈夫。この近くにはもう何もないから、町に行ってみたの。畑には小さなサツマイモもおちていたのよ>
ロンはことさら元気な声でシロに答えました。

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